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執筆者の写真kampo shinsendo

胃のつかえ その5

胃のつかえ その5



一時的に起こる胃のつかえの診断と治療



◆食生活の不摂生が胃のつかえを起こす 



 あぶらっこいものや辛いものを食べ過ぎたり、生ものや冷たいものをとり過ぎる、あるいはおいしいものばかり食べる、酒を飲み過ぎるといったことが原因となって脾胃の機能が傷つけられると、消化吸収力が低下し、飲食物をからだに必要な滋養につくり変える働きが不十分となってかすがたまるので、胃のつかえが起こります。



 これを「食滞」といいます。  



 食欲はあるものの、胃のつかえ感があり、みぞおちのあたりが硬くなって押さえるとうずき、卵が腐ったような臭いのするゲップ・胸やけ・酸っぱい水がこみ上げる・吐き気・嘔吐・便秘などの症状をともない、舌に厚くべっとりとした苔がついて、滑らかな脈をふれます。



 このような場合は、脾胃の機能を調えて消化吸収力を高めるとともに、残った飲食物を除く「保和丸」や、脾胃の機能を調えて有害な水分を除く「平胃散」に消化吸収力を高める山楂子・神麹・麦芽を加えたもので治療を行います。

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