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執筆者の写真kampo shinsendo

胃のつかえ その7

胃のつかえ その7



◆水分代謝の異常によって有害な水分が生まれ胃のつかえを起こす



 食生活の不摂生や、あまいものやあぶらっこいものを食べ過ぎるなどが原因で脾の機能が損なわれると、消化吸収力が低下して水分代謝がうまく行われなくなります。



 そのため正常な水液(津液)が停滞し、からだに必要のない有害な水分(湿)に変わります。



 この湿が集まったものを飲といい、さらにからだの熱によって煮つめられたものを痰といいます。



 したがって、湿・飲・痰は、基本的には同じ性質をもつ発病因子といえます。



 湿・飲・痰によって脾胃の機能が停滞するために起こる胃のつかえは、いずれもめまい・食欲不振・吐き気・嘔吐・みぞおちを押さえるのをいやがる・咳・たん・倦怠感・べっとりとした舌苔・滑らかな脈などの症状をともないます。



 しかし、それぞれの随伴症状は多少異なるので、それをもとにして方剤を使い分けます。

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