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胃のつかえ その8

執筆者の写真: kampo shinsendokampo shinsendo

胃のつかえ その8



 湿が原因の場合には、頭が重い・むくみ・下痢などをともない、舌苔が薄い白色になります。



 治療には、発散したり利尿によって湿を取り除き、脾胃の機能を調和する「藿香正気散」や「療方調流」を使います。



 飲が原因でゲップ・下痢・腹が鳴るなどの症状をともなう場合は、飲を除きながら脾胃の機能を調える「生姜瀉心湯」や「茯苓飲」がいいでしょう。



 痰による胃のつかえは、めまい・頭痛・吐き気・嘔吐・ゲップ・下痢・舌苔が厚くべっとりとしてやや黄色を帯びるなどの症状をともないます。



 このときは、痰や湿を除く「平胃散」と「二陳湯」を合わせたもの、また、つかえがひどく、嘔吐が強くてまったく食べられない時は、飲食物を下降させる胃の機能を助ける働きの強い「旋覆花代赭石湯」を使います。



 さらに、のどが渇く・尿量減少・舌苔が灰色がかった黄色になるといった熱症状(湿熱)をともなう時は、湿と熱を除く「半夏瀉心湯」などが効果的です。


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