胃のつかえ その9
急激な感情の変化やうっ積が胃のつかえを引き起こす
精神情緒の変化に応じて脾胃の消化吸収機能を調え、滋養の流れを調節するのは「肝」で、この機能を「疏泄」といいます。
激しいストレスを受けたり、怒りや悲しみ、驚きや悩みなどの感情が発散されずにうっ積すると、肝の機能が乱れ(肝鬱気滞)、脾胃に影響をおよぼします。
すると、脾の機能が停滞して昇清せずに下に向かったり、胃の機能が停滞して上に逆行するために、胃のつかえをはじめ、吐き気・嘔吐・下痢などの症状が起こります。
イライラしやすい・怒りっぽい・胸の脇が張って気分が悪い・ため息・呼吸の乱れ・乳房の張り・胸やけ・食欲不振・ゲップ・みぞおちを押さえるのをいやがる・吐き気・嘔吐・舌に白く薄い苔がつく・弦を張ったような脈をふれるなどの症状をともなう時は、肝の機能を回復して脾胃の消化吸収機能を正常にする「大柴胡湯」を使います。
めまい・顔面紅潮・口の乾燥・月経過多などの熱症状をともなう時は、熱を冷ます働きをもつ「療方調律」がいいでしょう。
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