胃の痛み その9
慢性化した寒いタイプの胃潰瘍は「桂枝加芍薬湯」が合うことが多い
胃潰瘍の治療は、まず痛みや他の症状でタイプを見分けることが大切です。
ここでは、慢性の胃潰瘍を中心に治療法を説明していきましょう。
寒いタイプの症状で、ひきつるような痛みがあり、温めたり触ると和らぐような場合には「補気升陽」や「小建中湯」を使います。
ただし、慢性的な胃潰瘍で痛みが激しくないときや、酸っぱい水が上がってくるときにこの薬を服むと、かえって胃がもたれることがあります。
そういう場合には、小建中湯から膠飴を取り除いた「桂枝加芍薬湯」が最適です。
痛みが比較的強い場合にはこれに「安中散」を加えます。
酸っぱい水が上がってくるときは、「二陳湯」や「小半夏加茯苓湯」あるいは「半夏厚朴湯」など、半夏の入った処方を加えます。
寒いタイプの胃潰瘍の中でも、嘔吐があり、手足が冷え、冷たいものを異常に嫌うなど寒い症状がきわめて強い人は、肝が冷たい状態になるため、胃腸が働かなくなっていることがあります。
こういう場合には、肝を温めながら胃の働きを正常に戻す「呉茱茰湯」を使います。
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