胃腸病 その13
「寒い」胃潰瘍と「熱い」胃潰瘍
胃潰瘍を大きく分けると、ストレスや大きな悲しみから起こる急性のものと、胃弱から移行した慢性のものとがあります。
この病気はもともとなりやすい素質を持っている人が多く、いったん患うと、治りにくく再発しやすいという特徴があります。
慢性の胃潰瘍の人に圧倒的に多いのは、「寒い」タイプです。
冷たいものを嫌い、空腹時にお腹がシクシクと痛み、腹部を触れられると気持ちよく感じます。
この場合は、脾胃を温める作用を持つ「安中散」がよく効きます。
安中散には、肝の機能を助ける桂枝や延胡索といった生薬も含まれていますので、ストレスなどが大きな原因になっている胃潰瘍にも合います。
また、胃潰瘍も急性の場合は「熱い」タイプの人も多く見られます。
からだに熱を持っている人はたいてい胃腸が丈夫なのですが、過信して暴飲暴食をしたりすると、うっ血して潰瘍ができてしまうのです。
熱いタイプの場合、症状は激しいのですが、治りも早いのが特徴です。
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