胃腸病 その17
乳児の下痢・嘔吐は慎重に治療する
子供の胃腸病も、四~五歳になると、病態は大人と変わらなくなります。
そのため、治療も薬の量を少し減らす程度でよいのですが、乳児の場合は別です。
乳児のからだは、まだ形成の途中にあるため、臓腑の生理活動は未熟で虚弱です。
骨や筋肉が柔らかく、歯も生えそろわず、消化機能が不十分なのに、成長・発育が盛んという矛盾を抱えていますから、からだの状態に合わないものを食べると、すぐおなかをこわします。
また、節度がわからないために、食べ過ぎてすぐ吐いてしまう子供もいます。
嘔吐を繰り返していると、素質的な病気に進行し、虚弱児童になることもあります。
外界の刺激にも非常に敏感です。
親がイライラしていると、乳児の情緒も不安定になり、すぐに臓腑が反応します。
このように過敏で未熟な時期は、治療も大変難しく、投薬を誤ると一生の体質を変えてしまう恐れがありますので、くれぐれも慎重に行わなければなりません。
Comments