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  • 執筆者の写真kampo shinsendo

胸の痛みと心臓病 その10

胸の痛みと心臓病 その10



くり返し起こる胸の痛み



疲れや衰弱によって胸の痛みがくり返し起こる



 特にはっきりとした誘因がなく、痛みもそれほど激しくなかわりに、体力を消耗するたびに、胸がシクシク痛むことがあります。



 これは、心の活動に必要な気や血が慢性的に不足しているからです。



 もともと虚弱体質であったり、過労や慢性病などが原因で脾胃の働きがおとろえると、滋養が不足するため、心の機能が慢性的に低下します(心気虚)。



 胸の痛みのほか、胸苦しい・息切れ・動悸・疲労倦怠感・全身に力がはいらない・話すのがおっくう・顔面蒼白・汗をよくかくといった症状がくり返し現れるようになります。



 舌の色は淡い白ではれぼったく、歯痕がつき、薄い舌苔が現れます。



 脈は細くゆるやかでわずかにふれるか、あるいはリズムが乱れたり不規則になります。



 このような場合には、脾胃の機能を高めて全身の元気を回復する「保元湯」に、心の機能を高める「甘麦大棗湯」をあわせたものや、「炙甘草湯」「養心湯(人参・山薬・茯神・麦門冬・当帰・白芍・蓮肉・遠志・酸棗仁・芡実・蓮鬚・茯苓)」を選ぶとよいでしょう。

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