胸の痛みと心臓病
その15 最終回
血液の流れが止まると固定性の激しい痛みが起こる
心の血液が流れにくくなる原因はさまざまです。
しかし、どのタイプであっても、治療ができないまま病状が進むと、やがて心の血液の流れが停滞し(血瘀)、固定性で刺すような慢性の激しい痛みが起こるようになります。
痛みは絞るようなものから、割れるような痛みまで、さまざまです。
胸苦しさや不安感が強く、冷や汗が出て、特に精神的な刺激で強くなります。
舌は暗紅色から紫色になったり、赤紫色の斑点(瘀点・瘀斑)がつき、舌の裏側の血管が青紫色になって怒脹したり、曇りガラスで覆われたようにみえます。
また、弦を張ったような渋滞した脈をふれ、しかもリズムが不規則で乱れるようになります。
このような場合には、血液の流れを回復して痛みを止める力の強力な「血府逐瘀湯」や「冠心逐瘀丹」などを使います。
しかし、多くの場合、心筋梗塞につながるので、できるだけ早く医師の診察を受けるほうが賢明です。
なお、心筋梗塞による胸の痛みを、中医学では特に「真心痛」といいます。