胸の痛みと心臓病 その7
これは、体内にある痰飲が、同じ性質をもつ湿気を引き込んで心の血液の流れをさまたげる力が強くなるからです。
透明で水っぽい痰がたくさん出たり、食欲不振や疲労倦怠感などの症状をともない、白くうるおいのある舌苔あるいは白くべっとりとした舌苔がみられ、玉をころがすように滑らかな脈をふれるときは、痰飲を除くとともに血液の流動性を高める「栝楼薤白半夏湯」や「枳実薤白桂枝湯」、「栝楼薤白白酒湯」を使います。
また、水分代謝の失調が進むと、からだの熱のために痰飲が粘調になって(痰熱)、胸がムカムカして気分が悪くなり、痰が切れにくくなってきます。
舌苔が白くべっとりとして、舌の表面がぬれているのに乾燥したようにみえ、玉をころがすように滑らかな脈をふれるときは、脾胃の働きを高めて水分代謝を正常にし、痰熱を除く「温胆湯」がいいでしょう。
脾胃で生まれた痰飲は、肺にたまります。
そのため、痰飲の量が増えると、胸からみぞおちのあたりがつかえて苦しくなり、みぞおちをおさえると痛みます。
この場合は、痰熱を除き、気滞を解消してつかえを解く「小陥胸湯」や「柴陥湯」を選びます。
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