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執筆者の写真kampo shinsendo

胸の痛みと心臓病 その8

胸の痛みと心臓病 その8



冷えが引き金になって胸の痛みが起こる



 老化や過度のセックス、過労や慢性病などによって腎の機能が衰えると(腎陽虚)、全身を温め水分を十分に代謝することができなくなります。



 そのため体内が冷えるとともに、からだに必要のない水分(寒湿)が生まれます。



 このタイプの人は、からだが寒邪を受けやすい状態にあり、ふだんから寒がりで冷え症ぎみです。



 暖かい部屋から出て冷たい外気にあたったり、冷たいものを飲みすぎたり食べ過ぎるなどして、からだが急に冷えると、絞めつけられるような強い胸の痛みに襲われることがあります。



 これは、冷え(寒邪)によって心の血管が収縮し、血液の流れが滞るからです(寒凝心脈)。



 胸の痛みが背中や手の小指に向かって走ったり、寒がる・顔面蒼白・手足の冷え・冷や汗・息苦しいといった症状をともない、舌苔が薄く、緊張した脈をふれるときは、からだを温めて冷えを取り除くとともに血液の流れをよくする「当帰四逆湯」がいいでしょう。

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