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  • 執筆者の写真kampo shinsendo

腎の働きと病気 その13

腎の働きと病気 その13



温める力を補う「八味地黄丸」



 このような症状が現れている場合には、腎の温める力が不足し、水分を正常に気化することができない状態と考えられるため、「八味地黄丸」という薬で腎を温めるようにします。



 これは、六味丸に桂皮・附子という温める作用をもつ生薬を加えたもので、水や精を補いながら温め、腎全体の機能を高めることを目的とした薬です。



 老化現象全般に使える薬ですが、尿量が極端に減って水分が体内に滞り、むくみなどを起こしている場合には、余った水を正常に排泄させる力が強い「牛車腎気丸」を使うようにします。



 また、八味地黄丸の適応症状に加えて、冷えの症状が強く、元気がない、疲れやすいなど、全身の症状が現れているときには、腎全体の機能が低下していることも考えられます。



 この場合には「鹿茸大補湯」や「右帰丸」などで、温める力と精をつくり出す力を補います。

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