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腎の働きと病気 その15

執筆者の写真: kampo shinsendokampo shinsendo

腎の働きと病気 その15



腎と肝



 「肝」は、精神・情緒面をつかさどるほか、血を蓄え、筋肉の働きがあります。



 血は、精とともにからだの基礎となる水液です。



 血は精からつくられるため、腎精が不足すると肝の血も不足して、腎精を余分に消耗するという関係にあります。



 そのため、病理的にも腎と肝の症状が同時に現れることが多いといわれています。



 また、「肝は婦人の先天」といって、女性のエイジングには、腎ばかりでなく肝も大きく関係します。



 これは、肝がホルモンや子宮といった女性の性理機能をつかさどっているためです。



 なお、肝に問題が起こると、機能が低下するのではなく、逆に亢進し過ぎたような症状が現れます。



 これは、もともと肝という臓器が、機能を亢進させる性質をもっているからです。



 この働きを適度に抑え、機能が亢進し過ぎないように調節するのも腎の働きの一つです。

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