腎の働きと病気 その2
生命エネルギーのもとが蓄えられている
さらに、中医学では、「腎」には「精」を蓄える「蔵精」の働きがあると考えています。
「精」とは、私たちが先天的にもっている生命エネルギーの基本となる物質です。
両親から授かった精は「先天の精」と呼ばれ、腎に蓄えられていますが、使われるうちに足りなくなってきます。
これを補うのが「後天の精」です。
後天の精は、脾胃によって飲食物からつくられ、全身に送られますが、余った精は腎に蓄えられ、必要に応じて気や血、水などに変えられて利用されます。
精は五臓すべてにありますが、中でも先天の精と後天の精からなる腎の精は、生殖や成長・発育・老化の基本となるので、からだの中で最も大切な物質と考えられています。
こうして先天の精が後天の精の補充を受けながら少しずつ増え、満ち足りた状態になると生殖能力が備わります。
逆に年をとって精が足りなくなると老化が始まるわけです。
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