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執筆者の写真kampo shinsendo

腎の働きと病気 その9

腎の働きと病気 その9



激しい熱症状には「知柏地黄丸」



 六味丸はかなり応用範囲の広い薬ですが、熱症状が激しい人には効果が不十分なことがあります。



 頬が赤く、手のひらや足の裏に熱感があり、胸が暑苦しい、ねっとりとした汗をかく、異常にのどが渇く、尿の色が非常に濃い、声がかれるといった症状が現れている場合は、かなり熱が激しいと考えて、六味丸に熱を取り除く生薬を加えた「知柏地黄丸」という薬を選びます。



 六味丸を服み続けている人に短期間与えるという使い方もできますが、熱症状が落ち着いたら六味丸に戻すようにします。



 知柏地黄丸は、熱を取り除く力が強いため、長期間にわたって服用すると胃腸が冷えて機能が低下してしまうことがあるからです。



 もともと寒がりの人や下痢ぎみの人にも禁物です。

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