腰痛 その15
腰痛は、三つの臓器と密接な関係がある
腎は、生殖・成長・発育・老化に深くかかわる臓器です。
高齢者ほど腰痛が起こりやすいのも、腎が腰痛と密接に関係していることを示しています。
しかし、たとえ若い人でも、性生活の不節制や過労、ストレスなどによって、一時的に相対的な腎の機能の低下をきたすことがあります。
このときにかぜや新たな疲労、食生活の不節制などが引き金になると、いわゆるギックリ腰が起こりやすくなります。
生命活動のエネルギーの源となる物質(精)は、飲食物からつくられ、腎に蓄えられます。
ですから、消化・吸収を行って体内の水液を主どる脾は腎と密接な関係があるといえます。
また、肝は筋膜や腱の動きを調節し、腎の精からつくられる血液を蓄えるとともに調節するので、肝も腎と親密な関係があるといえます。
したがって、腎の働きが低下するのに加え、脾がうまく働かなくなると水液が、肝がうまく働かなくなると血液が、それぞれ病理産物(痰飲・血瘀)に変わり、エネルギー(気)や血液の流れが滞るので、筋膜や腱の伸縮が悪くなって、腰痛が起こるのです。
このように、腰痛には腎が必ずかかわっているほか、水液を主どる脾と、血液や筋膜や腱を主どる肝という、三つの臓器が、主としてかかわるのです。
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