【くりかえしたり慢性的におこる腹痛の、診断と治療】
強い冷えをともなう腹痛は、からだを温めて治す
からだの冷えやすい人が、大きな病気を患ったり年をとると、体内で生まれた冷えや、有害な冷たい水分によって気や血の流れが悪くなり、腹痛が起こります。
このような「肝腎虚寒」の腹痛のうち、主に腎のおとろえが原因で起こる慢性の腹痛は、下腹部の中央が痛みます。
下腹部が真夏でも氷のように冷たく感じられ、寒がる・手足の冷え・くちびるの色が悪い・尿が透明で量が多くきれにくい・舌が淡い色になって水分の多い白い苔がつく・弱い脈あるいは大きく浮いて力のない脈(冷たい水分が停滞しているときは、弦を張ったような脈)、といった症状をともないます。
治療は、腎の働きを高めからだを温める「八味地黄丸」や「右帰丸」「真武湯」に「人参湯」を合わせたもので行います。
肝のはたらきがおとろえて冷えが強くなると、下腹部の両側、とくに左側がくりかえし痛みます。
さすったり、おさえると痛みがやわらぎ、嘔吐・水様便・だるくて力が入らない・寒がる・手足の冷え・舌が淡い色になる・細い弦を張ったような脈などの症状をともないます。
この場合は、脾胃や肝を温めて冷えを除き、働きを高めて痛みを止める「呉茱茰湯」を使うといいでしょう。
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