【蕁麻疹】 その1
健康と病気の中医学的な考え方
生理機能と栄養素の調和が健康を保つ
からだの活動は、栄養素を消費することによって行われています。
この生理機能の働きを「陽」といい、その基礎となる栄養素を「陰」といいます。
陽は陰を消費して働くと同時に、陽の働きによって陰がつくられます。
健康な状態では、このサイクルが正しく行われています。
陽と陰を合わせて「正気」といいますが、正気は、からだを健康に保つ生理機能であり、病気に対抗する能力でもあります。
しかし、なんらかの原因で陽が亢進しすぎると、陰が必要以上に消耗されて不足するという病態(「陰虚陽亢」)になります。
この状態では、からだは相対的に熱の性質に傾き、陽は陰を消耗するだけで、陰をつくることができなくなるので、陰はますます少なくなります。
こうした悪循環をくり返すうち、ついには生命の根源となる「真陰」をも損なうようになります。
このような性質をもつ陽気を「壮火(そうか)」といいます。
壮火は、すでに正常な陽気の性質を失い、病気の原因となる「邪気」に変化しています。
血液の循環を乱し、血液の成分を変えて調和を乱し、病気を引き起こします。
このとき、皮膚にも変化が起こりますが、これも蕁麻疹を発生させる内因になります。
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