【蕁麻疹】 その11
蕁麻疹のタイプと治療
風と、よぶんな水分によって起こる、蕁麻疹の治療
胃腸がまだ成熟していない乳幼児や、胃腸の消化吸収力がもともと弱い人、乱れた食生活を送っている人は、体内によぶんな水分(「湿」や「飲」)が生まれやすくなります。
このような状態では、衛気と営気の調和が失われやすく、風を受けると、よぶんな水分と結びついて、湿性の蕁麻疹が現れます。
全身に丘疹が現れ、水疱あるいは浮腫状に盛り上がる発疹をともないます。
このタイプの蕁麻疹には、「寒湿」によって起こるものと、湿熱によって起こるものとがあります。
このうち、発疹の色が青白く、からだが冷えると症状がひどくなるのは寒湿が原因です。
手足の冷えや下痢、むくみ、おなかの張りなどをともなうときは「五積散」や「藿香正気散」「療方調流」「胃苓湯」あるいは「真武湯」などを選びます。
熱を受けると症状がひどくなるのは湿熱が原因です。
発疹の色が紅くなったり、痒みが激しい時は「消風散」や「越婢加朮湯」を使います。
熱が重いときは、「白虎湯」、熱が軽いときは「十味敗毒湯」がいいでしょう。