頭痛 その3
【からだのおとろえに病因物質がつけ込んで起こる頭痛】
高血圧症や更年期障害にともなって起こる頭痛の下地は、長い時間をかけてつくられる
基本物質の流れや精神情緒・消化吸収機能の調節、筋膜や腱に滋養とうるおいをあたえるといった、全身の活動をコントロールする自律神経系にかかわる肝の機能を「疏泄」といいます。
情緒不安、外から侵入した病因物質(邪)、肝の活動に必要な基本的物質(血)の不足など、さまざまな原因で肝の機能が停滞すると(肝気鬱結)、肝の疏泄機能が失調します。
このとき、感情が内にこもるタイプの人は無口になって表情が重く沈み、反対に、発散するタイプの人は急にせかせかと忙しく動いたりよくしゃべるようになります。
また、胸の脇があちこち張って痛んだり、胸苦しい、弦を張ったような脈をふれる、といった症状が現れます。
肝の機能が失われると熱が生まれます。
急に激しい熱が生まれた場合には急性の頭痛が起こりますが、ゆっくり生まれる場合(肝鬱化熱)には、肝の滋養(血)だけでなくうるおい(陰)も失われるようになります。
さらに、消化器(脾胃)に影響が及ぶと、吐き気や嘔吐、酸っぱい水がこみ上げる、食欲不振、胃の痛み、腹痛、下痢などが現れ、女性では月経異常などの症状をともないます。
高血圧症や更年期障害などにともなって起こる頭痛の多くは、からだがこのような状態になっているときに、内外の病因物質がつけ込んで起こります。
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