top of page
  • 執筆者の写真kampo shinsendo

頭痛 その6

頭痛 その6



【からだのおとろえに病因物質がつけ込んで起こる頭痛】



かぜが吹く前に起こりやすい頭痛



 外から侵入した 病因物質(風・寒・湿などの外邪)によって頭痛が起こった段階で治療が徹底しなかったり、病因に対抗する力(正気)が不足していたために病因物質を完全に除くことができないと、風邪が肝の経絡にもぐりこんでとどまり、肝の疏泄機能を失調させるようになります。



 すると、風を生じやすい性質から「風木の臓」と呼ばれる肝では、侵入した風邪によって風が誘発されやすい状態となります。



 このときに風が吹くと、同じ性質をもつ体内の風が誘発されて肝の機能を乱し、頭部(清竅)の活動が亢進するため、頭痛が起こります。



 このタイプは風の吹く前日に起こることが多く、吹き始めると軽快するので、特に「頭風」と呼ばれます。



 風寒による頭風には、風寒を除きながら肝の機能を整える「川芎茶調散」、風湿や風熱による頭風には、風湿や風熱を除きながら肝の機能を整える「清上蠲痛湯」を加減して使います。

最新記事

すべて表示

頭痛 その1

頭痛 その1 【中医学からみた頭痛】 頭痛は、急性と反復性・慢性に大きく分けられる 中医学では、頭痛を急性のものと、慢性・反復性のものに大きく分けて考えます。 急性の頭痛の原因となるのは、かぜや感染症、精神的なストレスによる過度の興奮のほか、外傷や腫瘍、血管障害といった、頭...

頭痛 その2

頭痛 その2 【中医学からみた頭痛】 内臓の機能が失われると頭痛がくり返したり慢性化する  急性期にしっかり治すことができなかったり、そのほかのからだの異常が原因となって、からだの活動の中心である五臓(肝・心・脾・肺・腎)のいずれかが傷つけられると、頭痛がくり返し起こったり...

頭痛 その3

頭痛 その3 【からだのおとろえに病因物質がつけ込んで起こる頭痛】 高血圧症や更年期障害にともなって起こる頭痛の下地は、長い時間をかけてつくられる  基本物質の流れや精神情緒・消化吸収機能の調節、筋膜や腱に滋養とうるおいをあたえるといった、全身の活動をコントロールする自律神...

Comentários


bottom of page