top of page
  • 執筆者の写真kampo shinsendo

頭痛 その8

頭痛 その8



【からだのおとろえに病因物質がつけ込んで起こる頭痛】



消化吸収機能のおとろえによって生まれた不要な水分が集まり、頭痛を引き起こす その2



 このタイプは、曇った日や霧の日など、湿度が高くなりはじめると、痛みが強くなるのが特徴です。



 体内の痰が、同じ性質をもつ湿を引き込みやすいからです。



 張ったような頭痛のほか、めまいが必ず起こり、胸苦しい・吐きけ・嘔吐などの症状をともないます。



 熱性が弱いときは、舌に白くべっとりとした苔がつき、弦を張ったような脈をふれ、熱性が強くなると、さらに口が苦い、舌に黄色くべっとりとした苔がつく、滑らかあるいは弦を張ったように滑らかな脈をふれるようになります。



 痰ができてまだ熱性が弱いときは、痰を除く力の強い「二陳湯」や、脾胃の働きを高める「療方健脾」を中心に加減して治療を行います。



 たとえば、二陳湯に風をしずめる天麻や脾胃の働きを高める白朮・白芥子などを合わせたり、療方健脾に天麻・木香・縮砂をあわせたもの、津液や血を補う当帰や地黄を二陳湯に加えた「金水六君煎」がいいでしょう。



 熱と痰の症状(痰火)が明らかなときは、熱や風をしずめ痰を除くとともに脾胃の機能を回復して痰が生まれないようにする「星火温胆湯」、熱がやや弱いときは「半夏白朮天麻湯」や「導痰湯」、熱や痰によって機能(気)と陰液がともに消耗された(気陰両虚)ときは、気陰を補う力の強い「釣藤散」を使います。

最新記事

すべて表示

頭痛 その1

頭痛 その1 【中医学からみた頭痛】 頭痛は、急性と反復性・慢性に大きく分けられる 中医学では、頭痛を急性のものと、慢性・反復性のものに大きく分けて考えます。 急性の頭痛の原因となるのは、かぜや感染症、精神的なストレスによる過度の興奮のほか、外傷や腫瘍、血管障害といった、頭...

頭痛 その2

頭痛 その2 【中医学からみた頭痛】 内臓の機能が失われると頭痛がくり返したり慢性化する  急性期にしっかり治すことができなかったり、そのほかのからだの異常が原因となって、からだの活動の中心である五臓(肝・心・脾・肺・腎)のいずれかが傷つけられると、頭痛がくり返し起こったり...

頭痛 その3

頭痛 その3 【からだのおとろえに病因物質がつけ込んで起こる頭痛】 高血圧症や更年期障害にともなって起こる頭痛の下地は、長い時間をかけてつくられる  基本物質の流れや精神情緒・消化吸収機能の調節、筋膜や腱に滋養とうるおいをあたえるといった、全身の活動をコントロールする自律神...

Comments


bottom of page