風邪にともなうノドの痛み その11
水分の不足が肺に起こっているか、腎に起こっているかで治療法が異なる
治療は、原因となる寒冷・熱・湿・乾燥のうちどれが関わっているかを考えながら、のどの痛みに最も関連が深い肺と腎の状態を判断して行います。
まず、慢性的にのどが痛み、粘った痰が出たり、痰が切れにくいなどの症状があるときは、水分の不足が肺で起こり、熱が発生している状態(肺陰虚損)と考えます。この場合は「麦門冬湯」がよく効きます。
また、腎の水分が不足して起こるのどの痛みには、銀翹散や駆風解毒湯に「六未丸」を加えた処方か、「桔梗湯」を用います。
肺に熱が発生しているところに、腎の水分不足が加わると、頭のふらつき、腰痛、無力感、耳鳴り、難聴、手足のほてりなど、全身的な症状が現れることがあります。この場合には「麦味地黄丸」がよく合います。