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執筆者の写真kampo shinsendo

風邪にともなうノドの痛み その17

風邪にともなうノドの痛み その17



肺に滞った「痰」は咳を長びかせる場合もある



 体内の余分な水が熱で煮詰められたものを、中医学では「痰」と呼んでいます。



 のどからの痰だけでなく、コレステロールや中性脂肪など、からだに不要なものの総称です。



 ほかの症状はおさまったのに、咳がなかなかとれないときも、この痰が原因となっている場合があります。



 痰は、「乾いた痰」と「湿った痰」に分けられます。のどからでる痰が、比較的量が多くて切れやすい場合には湿った痰と考え、湿を乾かして痰の発生を止める二陳湯をベースに処方します。



 これに脾の働きを高める苓桂朮甘湯を加えると、余分な水を取り除くと同時に、新たな発生を防ぐことができます。



 また「小青龍湯」には、肺を温めるとともに、余った水を尿に変え、からだの外に追い出す作用があります。このほか、下痢をしやすい人などには、余分な水分を取り除きながら適度に補充する「藿香正気散」がよいでしょう。



 乾いた咳が続き、痰が粘って切れにくい場合は、乾いた痰が原因と考え、麦門冬湯を服用します。



 ただし、下痢をしやすいなど湿の症状がある人や、かぜの初期には適しません。



 痰によって咳が出る場合にはこの治療が有効ですが、原因がほかにある場合には、別の処方を用いることになります。

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