風邪にともなうノドの痛み
その19 最終回
水飲と痰
「水飲」と「痰」は、いずれも津液(体液)が変化したものです。
水飲が主に脾胃に停滞するのに対し、痰は気とともに体内を移動して、あらゆる臓腑を障害します。
水飲の直接の原因は「湿邪」です。湿邪は、外界に存在し、体内で作られることもある「六淫の邪」の1つです。
水飲が熱で煮詰められると痰に変わりますが、湿邪のほか、風・寒・暑・燥・火という六淫の邪すべてが、痰の原因になるのです。
原因に応じて、風痰、寒痰などと区別されますが、すべてに共通する性質は粘液性であるという点です。
口から出される痰をはじめ、コレステロールや中性脂肪なども痰に含まれます。
のどの痛みを起こす原因となる痰には、「湿痰」と「燥痰」があり、湿痰の場合には乾かす薬を、燥痰には濡らす薬を選びます。
湿・燥の見分け方を誤ると、かえって症状を悪化させることがあります。
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