食欲不振 その7
慢性的におこる食欲不振の
診断と治療
おとろえた消化器のはたらきを回復する
もともと胃腸が弱かったり、病気による消耗・老化・心労や過労が重なったりくりかえすと、脾胃のはたらきがおとろえて食欲がなくなり、まったく空腹感がなくなることもあります。
このような脾胃気虚の状態では、食後の胃の膨満感・少し食べただけで吐き気をもよおす・泥状便~水様便・息切れ・疲労倦怠感・話すのがおっくう・舌の色が淡白・脈が緩やかで力がないといった、全身の虚弱症状が現れます。
治療には、脾胃のはたらきを高める「療方昇陽」を使います。
また、吐き気があるときは「六君子湯」が効果的です。
さらに、「心」の滋養やうるおいが不足する「心血虚」となって、不眠・動悸・驚きやすいなどの精神不安の症状もあるときは、脾胃のはたらきを補い気血をつくる力を高めて「気血両虚」を解消する「十全大補湯」や「加味帰脾湯」「人参養栄湯」をつかうといいでしょう。
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