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執筆者の写真kampo shinsendo

食生活とアトピーの関係 その3

◆α―リノレン酸が体質を改善する


 リノール酸がアレルギーを引き起こすメカニズムを説明します。


 ダニやカビなどの抗原(アレルゲン)が体内に侵入すると、IgE抗体と結びつき、無毒化してから肥満細胞につきます。


この時ヒスタミンやロイコトリエンなど、アレルギー反応を起こす物質が放出されます。


リノール酸をたくさん摂っている人ほどアレルギー炎症反応を起こすプロスタグランディンが多く作られます。


よって、炎症が増強、長期化してしまいます。


最近の研究では、同じ必須脂肪酸の「α―リノレン酸」がアレルギー体質の改善に役立つことが分かってきました。


α―リノレン酸とは必要に応じて体内でDHAやEPAに変換される物質なのです。


このα―リノレン酸を摂ることによって、「皮膚のかゆみが減って、ツヤが出た」「アトピーが治った」「口内炎や口角炎が出なくなった」「頭の脂漏性皮湿疹が消えた」などがあげられます。


また、臨床テストにおいてもアトピー性皮膚炎の患者に対してシソ油を使ったα―リノレン酸の強化食を与えたところ、15か月で皮膚の乾燥や発疹が大幅に改善したという報告がありました。


さらに気管支喘息を抑制する働きがあることも判明しています。


α―リノレン酸は、魚油やシソ油などに含まれているほかエゴマ油やアマニ油などでも摂取することができます。

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